従来のヒルトの前面は汚れが溜まりやすく、また掃除しにくい所がウイークポイントでした。
汚れたままシースに入れてしまうと腐敗や、錆、臭いの原因となり、シースの寿命すら短くしてしまいます。
それを解消するために私の製作するナイフの多くはこのステップ・ヒルトを装着しています。
一見従来の物と変わりませんが、前部には段加工がしてあり、指先で容易に汚れを取り除くことが出来ます。
フィールド上でも数秒でクリーンナップ出来ますので、ナイフとシースを清潔に保つことが可能です。
クリーンナップの実験です。
汚れを表現するために着色した小麦粉を用いてティッシュペーパーで拭き取る実験をしてみました。
従来型 | ステップ・ヒルト | |
汚れた状態 | ![]() |
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一回目拭き取り | ![]() |
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二回目拭き取り | ![]() |
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結果 | ![]() |
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指先が隅に届かないため汚れを 取り除きにくい |
前面の段加工により、容易に指先が |
シースについて
ナイフの家とも言われるシース(鞘)には牛皮、カイデックス、メタル、等を用途に応じて使用しています。
ラブレス・ポーチと呼ばれるヒルトのキリオン(指掛け)部分でナイフを固定するタイプのシースです。3.5㎜厚の丈夫な牛皮に5㎜厚のナカゴを組み合わせた質実剛健のシースです。
ナカゴに刻まれたストッパーにより出し入れは差し込むだけ、抜き出すだけのワンアクションです。
2.5㎜厚の牛皮を袋状(筒状)に縫い合わせたシース。主にキリオンの無い小型のナイフに使用しています。スナップ・ナスカンを利用してベルトループやDカン等にぶら下げて使用します。
カイデックス製 ポーチシース
新しい発想のカイデックスポーチシース。縫製をする必要が無いため縫い代分シースを小さくする事が出来ます。当然水に強いため実用性は抜群です。
カイデックス製 袋シース
新しい発想のカイデックス袋シース。 接着や縫製をしておらず、カイデックスの柔軟性を利用してナイフを確実に固定します。当然水に強いため実用性は抜群です。
メタルシース
ボウイナイフ等コレクション・ナイフに合わせて製作。主にニッケルシルバーやシルバー製
フィールド・テスト
私自身は釣りを趣味の一つとしていますので、渓流や海でのテストは釣行のつど行って作品にフィードバックしています。
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写真用にちょっと変な持ち方ですが、腹を裂いています。二泊三日の釣行だったので、食べきれなかった分は焼き枯らしてお土産にします。
狩猟に関しては知り合いのハンターの方々にナイフを提供して意見を頂いています。
刃の長さや形状や厚み、ハンドルの長さや厚み等とても参考になり、作品にフィードバックしています。
鹿と猪猟を主としたグループの方達にテストをお願いしているハンティング・ナイフ達の一部